遺産分割協議が成立した場合にも遺産分割協議書を作成することを法的に義務付けられているわけではありません。
しかし、以下の理由により、遺産分割協議が成立した場合には遺産分割協議書を作成することが、実際上は必要となります。
①紛争の防止のため
遺産分割協議は、基本的には口頭によるやり取りとなりますので、相続人間で遺産分割協議が成立しても、その成立内容が後に残ることはありませんので、遺産分割協議書を作成しない場合には、後日、遺産分割協議の内容をめぐって「言った言わない」「そのような合意をした覚えはない」といった争いが生じる危険性があります。そこで、遺産分割協議の内容を明確化して後日の紛争を防止するために遺産分割協議書の作成が必要となります。
②相続登記の必要書類
遺産の中に不動産がある場合には、当該不動産について遺産分割協議の内容どおりの相続登記をすることになりますが、法務局に相続登記の申請をする際の必要書類として遺産分割協議書が必要になります。
③金融機関での相続手続の必要書類
遺産の中に預貯金や株式等の金融資産がある場合には、銀行や証券会社で相続手続をする際に遺産分割協議書の提出が求められます。
④相続税申告の際の必要書類
遺産分割協議を行った相続で相続税申告が必要な場合には、遺産分割協議書が相続税申告の必要書類となります。
以上のように、遺産分割協議書の作成は法律上義務付けられているわけではありませんが、遺産分割協議が成立した場合には、実際上は遺産分割協議書を作成する必要があります。