1 相続に関する手続の初期段階では、相続放棄の検討や遺言書の有無の確認が問題となりますが、双方ともに相続開始後、早期に手続に着手した方がよいといえます。
2 相続放棄
相続放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなければなりません。この期間内に相続放棄をしない場合、当該相続人は単純承認をしたものとみなされることになります。
相続放棄を行うのが適切な場合の一つとして、被相続人の残した遺産について、プラスの財産よりマイナスの財産(負債)の方が多い場合が挙げられます。そこで、相続放棄を適切に行うためには、早期に、プラスの財産のみならずマイナスの財産(負債)も含めた被相続人の遺産の全体像を把握するようにする必要があるといえるでしょう。
また、相続放棄について不明点や不安なことがある場合等は、専門家である弁護士にできるだけ早期に相談をすることをお勧めします。
3 遺言書の有無の確認
遺言書の有無の確認について、いつまでに行わなければならないかという期限が法律で定まっているわけではありませんが、遺言書がある場合には、原則的にはその遺言の内容に従って相続が行われることになり、また、遺言書がない場合には相続人間で遺産分割協議をする必要が生じることから、今後の相続手続の基本的な方向性を確定するためにはできるだけ早期に遺言書の有無について確認をする必要があるといえます。
公正証書遺言については、公証役場で公正証書遺言の有無の検索システムがありますので、最寄りの公証役場で検索をすることにより公正証書遺言の有無の確認ができます。
また、自筆証書遺言については、被相続人の自宅内を探すというの一般的な確認方法ですが、令和2年7月10日から法務局での自筆証書遺言保管制度が開始されましたので、この自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言については法務局で手続を行うことによって遺言書の有無のついての確認をすることができます。
上記公証役場での公正証書遺言の有無の確認、及び、法務局での自筆証書遺言の有無の確認について不明点や不安なことがある場合等は、専門家である弁護士に相談をすることをお勧めします。